2017/04/24

伝七郎とその妻




両肩の震えが止まらなかった。
妻には、、じゅうじゅう、わかっていた。




尊敬してやまない兄者・吉岡清十郎が、
武蔵の手に掛かった。


左目は潰され、胴は
袈裟切りに、右から左にかけて、真っ二つだった。

この兄者の死体のそんざいをして、、、どれほどの技量の差が、

自分と武蔵において、開いているのかは、刮目せずとも、伝七郎には痛いほどわかってきた。


次男で、
吉岡道場を背負ってる、巨漢の体躯ー吉岡伝七郎。


面子として、
兄の仇をを打たなければならない、当主として、大見得をきらないと、虚勢を張らないとやれない、

道場で必要以上の練習を打ち上げて、


我が宅に帰り、

その恐怖感と不安感を、
妻にいだいでもらう。


突っ張らなければならなかった武士たちの、

強くても弱い、脆い場面を、女性たちが受け止めてきたのだと、女性たちが歴史こそを動かしてきたのだと、、

、、井上雄彦は、みごとにえがいている一枚だ。


艶っぽい大和撫子の、一シーンである。
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