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2018/08/18

金足農 電光石火の離れ業~逆転サヨナラ2ランスクイズ






本塁の審判が、水平に両手をいっぱい伸ばした。

飛行機が両翼を拡げているようだった。

セーフだ、

実はセーフが二つで、2点得点して、大逆転で金足農のサヨナラだった。


かつて、
こんなサヨナラ劇を観たことが無い。

少し手前の時間帯までは、全国の農業高校代表といってはばからない金足農業高校が、近江に1点リードされて、負けそうになっていた。
私の心の中でも、金足農は弱者でもないが、「判官びいき」で応援していた、
九州や東北からみた場合、、東京や大阪の大都会に対する隔絶された社会地域にいる、(私だけかも)特有の僻み根性かもしれない、そんな中で、秋田県の金足農が勝ち進んできた。

毎日まいにち、奇跡をひとつずつ、積み重ねてきた。
しかし、スコアをみると、
なかなか、1点差が縮まらない、
私は、心の中で、(今日は奇跡はおこらないのか?逆転ホームランは出ないのか?今日は負けてしまうのか?負けるのか?そう毎回毎回、奇跡はおこらないよなあ?)
と、
そんな浅はかなことばかり考えていた。

だがしかし、不思議なことに大エースと言われる吉田という投手は何だかニコニコしていて、9回の表のピンチを、ずばっと斬ってとった。

そしてその流れがとうとうきた。
9回ウラの土壇場に来た、
先頭バッター高橋が、三遊間を破って出る、さらに菊池彪次もでる2塁1塁、菊池亮はバントの構えから四球を選んだ、

ノーアウト満塁だ。
奇蹟の舞台がひとつひとつ出来上がっていった。

まさかと思っていたことが起こった、
それは二段階だった。

9番バッターの斎藤璃玖がきちんとバントをして、三塁前に転ばしたあー、凄い、同点なるかあ?

同点。その直後、テレビの解説者が叫んだ、
「いや、これは、次もあります」

キャッチャーが受け取ると、1塁に送球した、その短い数秒間に、一番足が速いといわれる選手が、セカンドから、3塁ベースを蹴って、
猛然とダッシュしてきていた。

金足農の復元力は、何と2ランスクイズだった。
1塁手は、すぐさま、もう一度、キャッチャーに矢のような速球を投げ込んだ。2年生キャッチャーは、受け取ると後ろ側にダイビング気味にタッチに行った。
走者は、間一髪、
下に潜り込んでヘッドスライディングをしていた。

かいくぐって、セーフ、2点目のセーフで、
逆転サヨナラ、

近江2-3金足農。

勝負は終わった、滑り込んだ選手は、ジャンプしながら、みんなと抱き合っていた。
その向こうで、
近江の捕手は、ダイビングして、顔を泥だらけにして、そのまま立ち上がれなかった。
ゲームセットだが、
立てなかった。もちろん近江の仲間が肩を貸した、捕手はずっと泣いていた。


なんというドラマか?鮮やかなドラマだ。
電光石火の離れ業だった。

居合のようにバントを決めて、2人の敵をひといきで、ばっさり、ばっさりと斬ったようにみえた。

一太刀で、2人を斬って、2点をいれて、完成させた。

金足農と、
東北全域の思いが、今日の逆転劇に集約されているかのようだった。

もし、2人目がアウトだったとしても、2死3塁と走者が残る計算だ。

終わってからのインタビューで、
吉田輝星投手は、
「菊池彪は、チームで一番足が速い選手なので、練習から、予選で、2ランスクイズを練習していて、
決めていた。・・・だから自信があった、だからやった。」
と言ってのけた。

恐るべきチームである。
秋田県では、大変な騒ぎになっているらしい。

この金足農に優勝してほしいのは、私だけではないだろう。

★ 追加記事)
 バントを決めた斎藤は、普段の打撃練習の8割をバントに費やすというバント職人。上位打線へつなぐ9番としての仕事を果たすため、常に10種類ぐらいの場面を想定して練習をしていたという。チームとしても全体的にスクイズの練習は積んでいた。
「サードに取らせるのが理想だなと思った。イメージ通りだった」
と、してやったり。
ただ、二走の菊地彪まで生還できたことは「想定していなかった」といい「感謝したい」と語った。


★でんこう-せっか【電光石火】の意味・使い方

                                                       出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)
  稲妻の光や石を打ったとき出る火の意から、動きが非常に素早いことのたとえ。また、非常に短い時間のたとえ。
▽「電光」は稲妻の光、「石火」は火打ち石などを打つときに出る火の意。


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